Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「やっぱり忍者だから、忍術とか使えるの?」

「ふふ。それは書物に書かれている理想の忍者像だ。そんな摩訶不思議な現象、起こりはしない。だからこそ、常人よりも体術を極めるのだ」


得意げに話す由羅。

そんな由羅の顔を、竜之助は不思議そうに覗き込んでいた。


「…私の顔に、なにかついているか?」

「ううん、そうじゃなくて。ただ、椿ってそんな喋り方なんだなーって思って」
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