binoculars * glasses

August,16

曇り空 緑に架かる白い霧
そのなかで目覚めて
今日と出会った


レモンの香りの泡で
顔を洗った
夢から醒めるために。
出来れば 思い出したくなかった
心臓が重い。


頭上から落ちる
温かい水をかぶりながら排水溝に流れる
泡を見つめた


この心の靄も、一緒に流してくれないか?


エメラルド色の
半透明の液体に浸かりながら
まだ 成長しきっていない 未熟な躰を
自分の腕で抱き締めた


大人って、なんだ?


今が 確実に遠くなった頃


花火が空に残像を残し。
君の言葉が 僕の心を支配する


虚空に大きな残響を残し。
雨も負けじと音を増した

限りなく空に近い
青のなかで


僕はまだ
もがいている



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・靄(もや)

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