蜜愛フラストレーション
もちもちの皮の中から、じゅわりと溢れ出る肉汁。それを食べ終えると、真向かいの鈴を見ながら口を開く。
「もうちょっと時間はかかるかもしれないけど、……答えが出たら、その時は慰めてね?」
苦笑混じりにお願いすると、彼女は静かに箸を置いて、真ん丸な瞳で私をジッと見据えた。
ちなみに優斗との関係を知っているのは、ユリアさんと親友と鈴だけ。
かつてはひっそりと付き合っていたため。現在はとても褒められた状態ではないので、固く口を閉ざしているのだ。
宙ぶらりんな態度を失望されて当然なのに。相談に乗ってくれて、励ましてくれる優しい彼女たちには感謝してもしきれない。
「……萌ちゃんが出した答えに間違いなんてないから。でも、それが良い結果だといいね」
「うん、ありがと」
ひとつ頷き、お礼を伝えるとにっこり笑った鈴。その明るさにつられて頬が自然と緩んでいく。……これではどちらが姉なのか分からない。
「そーいえば、輝と北川さんってちょっと似てない?」
「仮にそうだとしても、稲葉さんに失礼だから」
「そんなことないけど。……でも、“前”は特に似てるって思ってたのになぁ」
一部を強調した過去形なあたり、彼女の中でまだ完全には優斗の評価が回復しきっていないのだろう。
昔から正直で優しい鈴は、当時ぼろぼろの私を見るなり、まるで自分のことのように泣いて怒ってくれたから。