bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
 
午前7時。
 
自席のパソコンの電源を入れ、フロアのブラインドを開け、日光を入れる。

もうすぐ7月。

ニュースで梅雨も中休みと言っていた通り、昨日の雨が嘘のように、薄暗かったフロアに日光が差し込む。


それから給湯室を軽く掃除して、コーヒーメーカーにスプーンに4杯半、2人分の水をセットして稼働させる。


――コーヒー・お茶はセルフサービス!!!――


「もう、こんな張り紙意味ないじゃん」

少し茶色に変色した給湯室の中に大きく書かれた張り紙を見ながら、1人言をつぶやいた。


給湯室にはコポコポというコーヒーメーカーから抽出されるコーヒーの音と濃いめのコーヒーのいい匂いで充満する。


けれど、私にはそれをゆっくりと感じる程、ゆっくりしている暇はない。
 
コーヒーの状態を確認しながら、自分のマグカップともう一回り大きい存在感のあるカップを準備する。

そのほかのコップは、他の社員が取りやすいようにと、出張中や休みの先輩のカップは片づけ、出社する順番や朝から飲み物を飲む人、飲まない人等を考えながら並べていく。

新人の頃は30分近くかかっていた朝の雑務も、もう2年目にもなると15分もかからずテキパキと出来るようになる。
 

「やっと解放されたと思っていたのに…」


2人分のコーヒーをカップに注ぎながら、深いため息が出る。


注ぎ終わって空になったコーヒーメーカーにはスプーン11杯、10人分の水を入れて、稼働させる。


次に来る先輩たち用に作り置きを準備するためだ。


私の分のコーヒーには、砂糖とミルクをたっぷり入れて、もう1つはブラックで準備する。
 
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