bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
16時30分。
結局、幹部クラスの会議が長引き、プロジェクトチームの会議は定刻よりも遅れて始まった。
実家が超がつくほど有名な食品加工会社の社長の1人娘と専ら噂されている川畑エリカ先輩が、席に1つずつ資料を配っている。
「どうぞ」
微笑みながらエリカ先輩は私に資料を渡してくれる。
ハーフだと言われなくても分かる透き通った青い瞳とはっきりとした目鼻立ちが印象的で、そのうえ、体のラインの分かるシャツとタイトな膝上のスカートで、同性の私でも、振り返ってみてしまうほど顔もスタイルも整っている。
そのうえ、資料を渡してくれた指はスラリと伸びていて、シルバーのラインの入ったコーラルピンクのネイルが指先まで上品さを現わしていた。
「すみません、本来は私が配らないといけないのに。」
そう言って渡された資料を両手で受け取ると
「こちらこそごめんなさい。急な発表で、資料の準備がさっき終わったばかりなの」
「あっ。ありがとうございます」
私にまた少しだけ微笑みかけて、エリカ先輩は資料配りを続ける。