bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
乾杯して1時間近く経つと、金曜日ということもあって、いつも以上に酔ってしまった神部君が本郷主任や竹之下先輩に絡んでいた。


本郷主任は相変わらず面倒くさそうに相手をしていた。


いつもこういう場ではほとんど呑まない本郷主任が今日はもう生ジョッキ3杯目に突入していた。




私はそんな光景を眺めながら、唯野主任にお酌をして、仕事の話を聞いていた。

唯野主任とこうやって二人で話すことは初めてで、アルコールも入って、いつもフロアの遠くから目の保養に眺めている憧れの人の隣にいるだけで私の胸の鼓動は早まっていた。



長い前髪の奥に見える黒々とした瞳に吸い込まれそうになる。


唯野主任を横目で眺めていると、唯野主任は私の方に少しだけ身体を向け、頬杖をついていた。


「安藤さん、いつも本当頑張ってるよね」

「あ、ありがとうございます」


こんな素敵な人に褒めてもらえるなんて今日の親睦会の開催に心から感謝した。


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