【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


そのあとすぐに、担任の雪野(ゆきの)ちえ先生が教室に入ってくる。


私の右斜め前に座っている湊人をチラッと盗み見れば、湊人は“間に合ってよかったな”とでも言いたげに私を見つめて優しく笑った。


「……っ」


これだから、困る。


いつも私に意地悪ばっかりしてくるくせに、私のことバカにしてくるくせに。


湊人は、たまにこうして、ひまわりのような温かい笑顔を私に向けるんだ。


……だから私は、湊人から離れられない。


幼い頃から抱いていた“湊人が好き”っていう気持ちを、捨てることができないんだ。


もうこの恋は叶うことはないと、痛いほどに苦しいほどに、分かっているのに。


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