【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
苦しいほど、私は思い知らされるの。
「じゃあ、俺、結菜と先に帰るな?」
「ん……」
「冬真、莉桜をよろしくな」
「任せてよ」
湊人は冬真にそう言ったあと、私を見る。
そしてにかっと笑った。
「莉桜、気を付けて帰れよ!」
本来なら嬉しいはずのその言葉が、今の私にとってはすごく切なくて残酷な言葉に聞こえる。
湊人、行かないで。
言いたい言葉は、言えないまま。
「先輩方、失礼します」
「じゃあな!」
笑顔で手を振る湊人と、可愛らしく私たちにぺこりとお辞儀をした結菜ちゃん。
ふたりは仲良く身を寄せあいながら、教室をあとにした。
その光景を見ていると、瞳に涙が浮かぶ。
私はクラスメイトにバレないように、そして冬真にも気付かれないように。
そっと指先で涙をすくって拭うと、
「冬真、帰ろっか?」
って、いつも通りの笑顔で笑った。