目なし女の消えない呪い
「イヤァァァァ!」




瞳を刺され、血を流している夏海を見て、千鶴が叫び声を上げた。




千鶴は、まるで悪夢を見ているような気持ちで、瞳をえぐられ、体を痙攣させている夏海を見ていた。




〈 夏海の次に目なし女の標的にされるのは、私……。

イヤよ。

何で私なの…… 〉




千鶴はそう思うと、心臓がドキドキと大きな音を立て始め、膝がカタカタと震え始めた。




目なし女が、血まみれのアイスピックを片手に、千鶴がいる場所を振り返った。




千鶴はその瞬間、体が凍りつくような思いがして、息が詰まった。




目なし女の次の標的は、間違いなく自分だった。
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