目なし女の消えない呪い
〈 お父さんとお母さんは、私に嘘をついているわ。

二人がそろって、長島優子を知らないはずがない 〉




美月がそう思ったあと、美月の頭の中に不吉な思い浮かんだ。




〈 もしかしたら、お父さんとお母さんは、長島優子の死に、関わったのかしら?

だから二人は、私に嘘をつくのかもしれない…… 〉




もし自分の仮説が真実と一致するとしたら、自分は知ってはならない過去をこれから探っていくことになる。




できるならば、自分はこの過去の真実に白、黒つけず、グレーのままにやり過ごしたい。




でも、それを自分がしてしまったならば、目なし女の呪いは決して解けない。




美月が何も言わずに、卒業アルバムを見つめながら、心の葛藤と戦っているとき、拓也が美月に声をかけた。
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