目なし女の消えない呪い
「美月、この卒業アルバムの倉本秀雄と瀬川麻美子って、お前の両親だろ。

だったら、美月の両親は、長島優子を知っているはずだよ。

美月は家に帰って、親に長島優子について訊いてくれないか?」




美月は拓也にそう言われて、心臓が早鐘を打ち始めた。




〈 やっぱりそうよ。

普通の人ならば、お父さんとお母さんが、長島優子を知っていると思うわ。

それを知らないと言い切るのは、不自然過ぎる 〉




「美月、オレはこのまま三十年前の卒業生に電話をして、情報を集めるよ。

美月は美月で、情報を集めてくれ」




美月は拓也にそう言われ、ゆっくりと立ち上がった。




やっぱり自分はもう一度、両親を問い詰めるしかなかった。




目なし女、長島優子がなぜ、いなくなったのかを……。
< 178 / 279 >

この作品をシェア

pagetop