目なし女の消えない呪い
「お父さん、それならば、お父さんのクラスメイトだった長島優子ならわかるかしら?」




美月がそう言ったとき、秀雄と麻美子の顔つきがガラリと変わった。




美月の今の一言は、幸せだった家族を元の姿に戻すことができなくなる破滅の言葉かもしれなかった。




でも、美月に退く道はなかった。




目なし女の呪いを解かなくては、笹原高校の三年生は全員死んでしまうから。




「美月、どうしてその子の名前を知ってるの?」




麻美子が美月にそう言ったとき、美月は静かな声で麻美子に言った。




「お母さん、やっぱり覚えていたのね。

長島優子のことを!」




美月は麻美子にそう言って、話を続けた。
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