目なし女の消えない呪い

美月が階段を下りて、リビングに行くと、そこには父と母がいた。




いつもと変わらぬ幸せな家族は、美月の言葉で壊れるかもしれなかった。




美月は息を大きく吸うと、ソファーに座っている父と母に言った。




｢お父さん、お母さん、私は二人に訊きたいことがあるの。

火傷で赤くただれた顔の女子生徒のことで……｣




美月がそう言うと、秀雄はあからさまに不快な顔をして、美月に言った。




｢美月、何度言ったらわかるんだ。

オレも母さんも、そんな女子生徒なんて、知らないんだ｣




｢嘘よ｣




美月は秀雄の言葉をハッキリと否定した。




｢お父さんは、火傷で赤くただれた顔の女子生徒を知っているわ｣




美月はそう言って、秀雄の顔を見つめた。