目なし女の消えない呪い
〈 三十年前、目なし女はこの学校の裏山で殺されたのね。

両方の瞳を奪われ、目から血を流しながら…… 〉



厚い雲が月の光を遮り、闇が広がる裏山に、ぽつりぽつりと雨を降らせた。




〈 いけない、雨だわ。

早くしなくちゃ 〉




雨はしだいに強くなり、大粒の雨が地面を叩き始めた。




美月の服は雨でびしょ濡れになり、美月の体から体温を奪っていった。




〈 急がなくちゃ……。

学校の裏山にある洞窟はもう少しなはずよ 〉




美月がそう思ったとき、空が急に明るくなり、轟音とともに、雷が鳴った。




美月は、稲光が闇を照らしたとき、長島優子がいるはずの立入禁止の洞窟を見つけた。




〈 ついに来たのね 〉




美月はそう思い、洞窟を囲むフェンスに近づいていった。
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