目なし女の消えない呪い
ひんやりと冷たい洞窟の中は、どこまでも暗闇が続いていて、美月の視界を奪っていた。




〈 私はこの場所で、どれだけ意識を失っていたのだろう?

五分、十分?

それとも、一時間? 〉




美月は洞窟の水溜まりの中で、頼りなく光っている懐中電灯を手に取って、辺りを照した。




美月はそのとき、自分が犯した大きな過ちに気づき、愕然として、心臓が飛び跳ねた。




〈 いけない……。

私は方向感を失ってしまった……。

私は今、洞窟のどの辺りにいるのだろう?

私はどっちに進めばいいの?

右? それとも、左? 〉




美月がそう思って、途方にくれているとき、洞窟の中で、またあの女の不気味な声が聞こえてきた。
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