目なし女の消えない呪い
美月は警察官にそう言われたあとも、なぜ自分のスマホから『目なし女の呪い』というグループLINEが消えてしまったかわからず、スマホの画面を見つめていた。




〈 何で?

みんながあんなに消そうと思っても消せなかったあのグループLINEがないなんて……。

おかしいわ。

でも、どうして? 〉




美月は警察官と一緒に来た愛子の家を出て、雨が止んだばかりの道を自転車で帰っていった。




自転車をこいで、家に帰る途中、美月の頭の中に、瞳をえぐられた愛子の顔が浮かんで、美月はゾッとした。




〈 でも、あんなむごい殺し方って……。

犯人は絶対に目なし女よ。

目なし女が愛子を殺したの。

でも、目なし女って、いったい何者なの?

人間なの?

それとも…… 〉




美月は自分が想像してしまったことが恐ろしくて、全力で自転車をこいでいた。




〈 もう私は、何も考えたくはない。

愛子のことも、目なし女のことも…… 〉




美月はいつの間にか、泣きながら自転車をこぎ、自宅にたどり着いていた。
< 27 / 279 >

この作品をシェア

pagetop