僕を愛した罪










「それじゃ、次郎。
待たせて悪かったな」


「いや、構わないよ」





あの人…いや、違う。

お父様、は次郎さんと一緒に飲み始めた。

…待たせていたんだ。





「……それじゃ、僕はこれで失礼します」




あんまり長居すると、迷惑だから。

僕は芽衣子さんと次郎さんに向かって会釈をした。




「セイくん!送るよ!」


「え?別に構いませんよ?」


「平気平気!
あたしのことは気にしないで?

今日はママが迎えに来てくれるの。
パパはお酒飲んじゃうから。

来てくれるのなら、良いでしょ?」


「……はい」





僕は頷いた。

…色々と彼女にも、話しておくべきことがあるから。




「お邪魔しました」


「また来てね、星夜くん」





玄関まで来てくれた芽衣子さんに会釈をし、出ようとすると。





「星夜くん。
今度は、わたしのこと、お義母(かあ)さんって言ってね」


「わかりました。……えっ!?
話…早くないですか!?」


「早くないわ。
もうすぐで、そうなる日が来るもの」





思わず頷いてしまいましたけど。

…本当に、話が早いです。





「……わかりました。
そう…呼ばせて、いただきます」





僕は恥ずかしさから逃げるように、彼女と前園家を出ました。










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