僕を愛した罪







『あ、そうだ。

目の前で死なれると一生のトラウマになっちゃうので、
こっち来てもらえません?』





ニカッと歯を見せて笑う彼女。

僕はわけがわかりませんでした。

だけど彼女の言う通り、柵を乗り越えました。





こうして

僕の自殺は彼女によって止められたのです。

そして今では彼女は立派な、ストーカーです。









…あり得ない。

わけわからない。

改めて考えるととんでもない話です。

笑い者にもほどがあります。




誰もいない屋上。

初めて会ったアホに告白される僕。

そして彼女にとっては僕は彼氏なようです。




…どうして?

何で彼女が?

僕に、僕なんかに、一目惚れした?

どうして僕の自殺を止めた?

僕と彼女は初対面のはずなのに。




久々に思い出したからでしょうか?

あの時は考えられなかった疑問が沸々と湧き上がって来ます。








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