四神転送
始まり


―――……‥


あれっ……

ここ、どこだ…?


右を見ても、左を見ても、
上も下も全部全部、

真っ白な世界だ。


立っているのか寝ているのかも解らない。
熱さも寒さも感じない世界。


ここは一体、どこだ?



「…っ……れが…――」


あれっ

声が聞こえる…


誰だろう……よく聞き取れないけど、とても優しい声。
だけど憤怒と混乱の感情が、その声を悲しく響かせている。

悲しい…声


「…は…何故、地球の…を……――」


何言ってんだろ……


困ってんのかな?

助けて、やりたいな…


「あはっ!もう……ぃ…みたい……ね…――」


あっ、声が変わった。

今度はずいぶん子供らしい声だな。


「でも…ざぁんねん……――」


子供特有の無邪気な声……

………いや、
なにかが違う。


「……の命…より」



この無邪気はまるで………




「全部、殺しちゃうからぁ」











_
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop