あなたが教えてくれたから~約束~
4.嫉妬
ナースステーションをのぞく。
いた。
吉原さんが真剣な顔で申し送りを受けている。
かっこいいなあ。
昼間とは違って、いつも通りマスクをしている。
ナースステーションの窓の外に肘をついて彼を見つめる。
あ、終わった。
こっち向いて、いつも通り手を振ってくれるかな。
わたしの心は期待でいっぱいになる。
あれ?
隣りにいた女の看護士さんが、吉原さんの肩を軽く叩きながら、にこにこと微笑んでいる。
吉原さんも笑いながら、それに応じている。
中で何を話しているのかは聞こえない。