あなたが教えてくれたから~約束~







「わたし、いろいろ考えたんだ。ふたりだけが悪いんじゃない。わたしも悪かったの」




「汐里は悪くない!悪いのは裏切ったわたしだよ」





綾乃がわたしに反論する。





「ううん。綾乃がいなくても、修司とはもう終わっていたんだよ」





それに、とわたしは続ける。





「わたしこそ、ひどいこと言ってごめんね」





綾乃はぶんぶんと首を横に振る。





そんな綾乃の目にうっすらと涙が滲んだ。





「あ、ごめん…嬉しくて。もう、口もきいてもらえないと思っていたから」




「バカ」




「じゃあ、わたし帰るね。身体に障るといけないから」







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