あなたが教えてくれたから~約束~
9.生きるということ
退院を5日後に控えた晩、何かが割れる音で目が覚めた。
時計を見ると午前3時。
「桃佳?今のって桃佳?」
そう言いながら桃佳のベッドに向かう。
桃佳のベッドを仕切るカーテンの中から、苦しげな声が聞こえた。
「桃佳!?」
走り寄ってカーテンを開けると、桃佳が身体をふたつに折って、胸を押さえて苦しんでいた。
床に割れたマグカップが散乱している。
「どうしたの!?桃佳!」
わたしはあわててナースコールを押した。