あなたが教えてくれたから~約束~
霊安室。
病院内はよく歩き回っていたけど、この部屋にはさすがに入ったことはなかった。
地下にあるその部屋は、しーんとして物音がしなくて、つめたかった。
看護士さんに付き添われてその部屋に入る。
中には桃佳のお母さんがいて、桃佳の頭をゆっくりと撫でていた。
「汐里ちゃん、来てくれたの」
桃佳のお母さんとは面識がある。
「桃佳…」
近寄って手に触れるとその手はとてもつめたく、硬かった。
「この子、頑張ったのよ。本当は、今まで生きてこられただけでも奇跡だったの」
おばさんが静かに涙を拭う。
「本当はもっとそばにいてあげたかった」