甘々王子にユウワクされて。
「結羽ちゃん。遅かったね」
「すみません……」
顔をあげて笑ってくれる先輩。
この間のたくさんの失礼なことを忘れてしまっているかのように優しく笑う。
わたしはその場に鞄を下ろして、姿勢をただした。
意識して大きく息を吸い込む。
「……先輩。この間は、失礼しました。
木林くんの分も、ごめんなさい」
そう言って深く深く頭を下げた。
いいよそんなことしなくて、なんて言わないのも篠田先輩の優しさだ。
わたしがこうしなきゃ気が済まないってことをきちんとわかってくれているから、聞いてくれるんだろう。
数秒間下げていた頭を上げて、わたしは先輩に微笑んだ。
本当は、そんな笑う余裕なんてないくらい緊張していたけれど。
「……もう一度言わせてください。
先輩が好きです」