恋とは停電した世界のようです
「…麻友子さん?」
黙り込んでしまった
わたしの耳たぶに、彼の心配そうな声が触れる。
(彼女さんのこと…、)
気になる
聞いてみたい。
訊いて、みたい。
だけど
「…いえ、ルーカスさんの妹さんがうらやましいな、って」
怖い。
「…うらやましい、ですか?」
「うらやましいです。だって、」
まいにち、ルーカスさんに会えるもの。
そう言いかけて、
ぐっと喉もとで言葉を飲み込んだ。
彼女のことを訊くのも怖いけれど
それ以上に、自分の気持ちが伝わって彼に否定をされてしまうことが怖かった。