【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「あー…俺って馬鹿だな……」
「ホントだよね」
何気なく呟いた言葉に返事が返ってきて、びっくりして振り向く。
そこには、俺そっくりの容姿の……沙奈が、立っていた。
「沙奈……いつ帰ってきたんだよ」
「さっき。そこで蓮央くんとすれ違ってね。あの女と一緒だったから、思いっきり振ってやったわよ」
はぁ、と大きくため息をついた沙奈。
気丈に振舞ってはいるが、本当は悲しくて悔しいんだろうな。
「…何て、あたしたち馬鹿なんだろ……」
「仕方ねぇよ……。好きになってはいけないやつを愛しちまったんだから」
「そだね……」
「「はぁ…」」
何とも言えない気持ちになって、同時にため息が出た。
諦めたくねぇな……。
こんなに欲しいと思ったの、初めてなのに。
どんなに拒絶されても、選ばれなくても。
傍にいたいと思ってしまう。