【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「いいか?説明してやる。俺は龍嵐の総長で、若沢組には出入り自由なんだ」
「お前がそうでも、俺らが入らねぇと意味ねぇんだよ、ばーか」
よほど北苑が気に食わないのか、いちいち文句を言う歩。
それを、北苑は鋭く睨みつけた。
「黙って聞いてろ、ガキが」
「ガッ……!?てめぇ、人が下手に出てやれば!!」
「歩、落ち着いてっ!!」
喧嘩騒動になりそうなその場をなんとかなだめ、気になる続きを聞く。
「…で、お前らのうちの一人が俺と同行して、若沢組に忍び込むってわけだ。いい案だろ?」
「……それ、裏切り行為じゃねぇの?」
「大丈夫だ。仮にそうだとバレても、そん時には既に撤退してるだろうしな」
なるほど……。
証拠がなければ疑えないってわけね。
若沢組の構造を、怪しまず探れるなんて。
確かに、『最高の案』かもしれない。
だけど、1つ問題がある。
「……あのさ」
少し手を挙げて、北苑に話しかけた。
「1番重要な、『潜入者』は誰がやるの?」
「あぁ、そのことか」
そうだなぁ、と、北苑は考え込む。