青空ライン~君が居た青春~


「私達は……、この場所が、ファンの皆さんが大好きです。勿論、辛いことだって、いっぱいありました。でも、この仕事が大好きなんです。」


昔の事を語るように、優しく、静かに語るメンバー達。


「僕達は、なにもしたいことがない、絶望した日々を送っていたある日、アイドルという仕事を見つけました。」


「そんな、希望の光だったアイドルという仕事が、私達に本当にしたいことを教えてくれました。」


「俺達がしたいことをする。それが……俺達の本当の夢でした。やっと、譲れないものを見つけたんです。」


……僕はわかってしまった。
これから言うことを、それがファンの人達にとって、望ましいことではないことを。


「……そうして、私達は決めました。…………holy wayを、解散する事を。」


そうして、騒然とするお客さん達。
茫然と立ち尽くす人、声を出すのをこらえて泣いてる人、その場にしゃがみこんで泣き叫ぶ人……。
いろんな人がいるけれど、皆、holy wayが大好きなのは同じだった。


嘘でしょ……?
波瑠ちゃん……。
なんで急に……?


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