青空ライン~君が居た青春~
優斗side

波瑠ちゃんが会議室から出ていったあと、少しの間、沈黙が続いた。


「……あんなこと言われたら……こうするしかないよねぇ……。」


彼方くんは、独り言でも言うような感じで、沈黙のなかを破ったようにも思った。


「遼くんは……波瑠ちゃんの事を、本当によくわかってるんだと思うよ。そうじゃなきゃ……still kingの皆に言わないと思うし。」


「そうよねぇ……。でも……波瑠もりょーちゃんも……色々意図があるからそうしているだけであって……アタシ達が口出しするのもどうかと思うけど……それでも……ね。」


「僕は波瑠先輩が幸せになれるのなら……。お節介でもやるべきだと思います。……とはいっても……きっと波瑠先輩を一番に幸せにできるのは、遼先輩だと思うところもあるんですけどね……。」


……柊くんの、言った通りだ。
波瑠ちゃんを幸せにできるのは遼くんで、波瑠ちゃんが幸せなのは遼くんの隣。

僕は……自分の気持ちをただ言っちゃったって感じだし……しかもあれから波瑠ちゃんは忘れちゃってる感じだし……はぁ、僕ってなんでこんななんだろう……。




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