青空ライン~君が居た青春~

波瑠ちゃんは……知りたいのかな……?
知りたくないのかな……?
波瑠ちゃんはあまり、あれから遼くんのことを口に出すことはしなかったし、僕らがあのときは~という話をして、遼くんが出てきても……普通に笑って、話していた。


「どうする?」


「……波瑠にゃんはきっと……あの事に折り合いをつけてるんじゃないかな……?あの事は過去として、前に進むために……波瑠ちゃんは、想い出にしようとしてるんじゃないかな……。」

 
浩輝くんは、波瑠ちゃんが儚くなってしまうような笑みで遠くを見ていた。


「……そうだな。波瑠が前に進んでいる途中に、俺達がそれを止めるわけにはいかないよな。」


琉生くんは納得したような顔で、スマホをいじって……遊佐くんにメールを返している。

そして、遊佐くんからの返信はすぐ来たようで……


「すぐ中央病院に来て、だって。」


そう言いながら、僕らにスマホの画面を見せてくれた。
……でも、僕はその文面に違和感を覚えた。
いつもなら、どんなときでも絵文字や顔文字を使う遊佐くんだけど……やけに今回の文面はシンプル過ぎるというか……句読点すらもついていない。

確かに今は緊急の用事だけど……さっき、緊急手術のことを送ってきた時は絵文字を使ってたし……今回はやけに変だ。

なにか、そっちで起きたのかな……。
そんな、胸騒ぎは消えなかった。


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