ベビーフェイスと甘い嘘

「……不安なんだけど」


「信用してよ」


「その目が怖いんだって」


二人のやり取りを聞いて、不安な気持ちに拍車がかかる。


子どもじゃないんだから、どんなに不安だろうと『直喜、待って』なんて言っちゃいけない。


たとえ、ようやく力が入るようになった両足が不安でふるふると震えていようと。



「……分かったよ。奈緒ちゃん、茜さんが嫌がるような事は絶対にしないで」


まるで花火大会の……直喜が私と翔を送って行くと言ったあの時のようなやり取りをして、直喜は車へと戻って行った。



奈緒美ちゃんは、不安そうに何度も振り向いてから車に乗り込んだ直喜を見てクスッと笑った。


「花火大会の時と逆ですね」



決して視線は合わせていないのに、まるで自分の心の中を読まれたようで、心臓がドキリと音を立てた。



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