ベビーフェイスと甘い嘘
あの時は、翔の誕生日にみんなで水族館に行った以外、半年以上家族三人で出掛けた事なんて無かったはずだ。
翔はそれが悔しくて悠太くんを叩いてしまったのだと、そう言った。
そして、家を出て別々に暮らし始めた事と、自分の運動会には修吾が来なかった事で、もうパパは悠太くんのパパになってしまったのだと、私が教える前に何となく分かってしまったらしい。
「かけるはさびしくないよ。ママがいるもん」
目にいっぱい涙をためながら翔がついた優しい嘘は、私の心を癒してくれた。
私は、これからこの嘘を本当にできるように、たくさんの愛情を翔に注いであげたい。
***
仕事終わり、芽依からLINEが届いていた。
『まってるよ』
ひらがなだけの文と、親指を立てて『OK』と言っているウサギのスタンプのちぐはぐな感じに思わず笑ってしまった。
翔が芽依のスマホを借りて送ったのだろう。
この春から、翔は亜依の通う幼稚園へと転園した。
こうして、私の仕事が遅くなる日は芽依の家であずかってもらっている。
幼馴染みのひろくんや、他の近所の友達や、何より大好きな亜依と毎日同じ幼稚園に通えるようになった翔は、今までの二年間が嘘みたいに毎日元気に幼稚園へと通っている。
翔はそれが悔しくて悠太くんを叩いてしまったのだと、そう言った。
そして、家を出て別々に暮らし始めた事と、自分の運動会には修吾が来なかった事で、もうパパは悠太くんのパパになってしまったのだと、私が教える前に何となく分かってしまったらしい。
「かけるはさびしくないよ。ママがいるもん」
目にいっぱい涙をためながら翔がついた優しい嘘は、私の心を癒してくれた。
私は、これからこの嘘を本当にできるように、たくさんの愛情を翔に注いであげたい。
***
仕事終わり、芽依からLINEが届いていた。
『まってるよ』
ひらがなだけの文と、親指を立てて『OK』と言っているウサギのスタンプのちぐはぐな感じに思わず笑ってしまった。
翔が芽依のスマホを借りて送ったのだろう。
この春から、翔は亜依の通う幼稚園へと転園した。
こうして、私の仕事が遅くなる日は芽依の家であずかってもらっている。
幼馴染みのひろくんや、他の近所の友達や、何より大好きな亜依と毎日同じ幼稚園に通えるようになった翔は、今までの二年間が嘘みたいに毎日元気に幼稚園へと通っている。