ベビーフェイスと甘い嘘

先週の出来事を思い出す。


あれは、30歳を過ぎてだんだんとおばちゃんに近づきつつある私の、最後のモテ期だったのかもしれない。


甘い記憶を巻き戻して、辿る。


全ての出来事は3ヶ月前の3月、私が『Happiness』で行われる結婚式に突然招待されたことから始まった。





***


30歳を過ぎると結婚式というものにかなり縁が無くなる。


仲の良い人以外は、同級生とも疎遠になるし、招待されるとしたら自分の結婚式で招待した人が結婚する時に呼ばれるか、職場の人が結婚する時くらいだからだ。


私は結婚式は挙げなかったし、プライベートで接するような仲の良い同僚も今は居ない。


だけど何年かに一回どうしてこの人に私は呼ばれたんだろう?って思う不思議な結婚式に招待されることはある。


……これって、結婚式あるあるじゃないかな。


そんな不思議な招待状が私の元にも届いた。
差出人は高野 奈緒美(たかの なおみ)。元の職場の同僚だった子だ。


同僚と言っても、彼女は出産を期に仕事を辞めようとしていた私の代わりに入って来た子で、引き継ぎの3ヶ月間だけ一緒に働いただけの関係だ。
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