抱き寄せて、キスをして《短編》
「あ、私知ってるよ!昔、お祖母ちゃんが歌ってた」

「えっ?」

「『岩壁の母』でしょ?!」

「え。俺は『岩窟の聖母』って言ったんだよ。絵画だよ」

へっ!?何それ?がんくつのせいぼって、なに?!

「岩窟の聖母はね、空気遠近法が使われてるんだ。レオナルドの」

やだ、わかんない。

くうき……なんだって?

空気砲じゃなくて?

波動砲かっ?

そりゃ宇宙戦艦ヤマトだ、もっと違うな、多分。

私は必死で食らいついた。

「あの人多才なんだね!俳優業だけでなく」

「俺が言ってるのはレオナルド・ダ・ビンチなんだけど。君が言ってるのはハリウッドスターだろ?」
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