失い続けて見つけたモノ
嵐の中



私は今までの事を智也に話した



侑と昌也に出会って変わった事



侑を好きかも知れない事



あとあの不可解な侑の言動





話しているうちに涙があふれた



智也は背中をさすりながら聞いていてくれた



少しすっきりした…



しかし聞き終わった智也から返ってきた言葉は意外なものだった




「海ちゃん…辛いよね……でもねアイツは…侑はねそういう奴なんだ」



「えっ?」


ぎゅっ



智也は私を抱きしめた



「海ちゃん…いや、海…。俺のモノになれば全部忘れられるよ……?」


「は?ぇっ?」




「侑は女の子で遊んでいらなくなったら捨てるんだ」






え?








「嘘でしょ……?」




「本当だよ…」




「嘘……」



「俺なら忘れさせる自信があるよ…海」





頭が真っ白になった




遊ばれてたんだ…



そっか……






「海…俺と付き合って…」



私はどうすればいいか迷った




けれど今の私には逃げ道を選ぶしかない弱い心しかなかった…






「うん解った……」




「ありがとう」




辛いよ…

寂しいよ…




でも智也といれば安心できる気がしていた…





「もう会わなくていいよアイツらとは…」





そんな智也の悪魔の声さえ救いの道しるべに聞こえてしまった…
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