ためいきのセレナーデ

イケメンショットバー

そこのショットバーは、顔で選んでるんじゃないかと言う位従業員の男の子は皆甘いマスク。

マスターにおいては、昔の歯の矯正前で茶髪の徳永英明と郷ひろみを足した感じよりカッコいい。

もちろん私は足しげく通い詰め、酔いたい時はバドをストローで頂いてしばらく酔っぱらいモード。

泣いたり、間違えて人のマイクを取ったり。
ブラを投げた日も。

看板の陰で寝た日も。

でもトイレに行けばもう醒めてるんだけど。

翌朝誰のストローか、大切に包んで持って帰ってた事もあった。

その店でだけ安心して酔えてた。

ある日、仲良しのバージン娘Kちゃんに、人手が足りないので宴会コンパを手伝って貰った時の事、帰りに、

『ユーコさ~ん』

「どした?」

『あたしィ~、お客さんとアフターの約束したんですけど~』

「ええっ!
うちは堅いとこが売りだから、そうゆーの禁止なんだよ!」

『どうしよ~』

「嘘をついたってもクレーム来るしどうしよう」

結局私がついて行った。

バレたらクビだよ、リーダー歴長いのにぃ。




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