ためいきのセレナーデ
彼は険しい顔をして私の背後を目を見開いて凝視していた。

『大変だ!大変だ!
どうしよう!
すごい事になってる!

こんな…こんな事が!』

ただならぬ様子で彼が飛び起きて眼鏡をかけた。

「どうしたの!?
ねぇ!何がどうしのよぅ!」

『早く何とかしなくちゃ!
でも一体どうすればいいんだ!』

私は彼の様子が恐ろしくて固まっていた。

彼がその私の様子に気がついた。

『どうしたんだ……』

私は彼を見ないで言った。

「恐いよぅ!!」

『何が!』

「くぅちゃん(彼)が恐いんだよ!」

『はっ……』

「何がどうしたのよ……
ねぇ、一体何がどうしたのよ!

私の後ろがどうかしたの……?」

『ハァッ……

幻覚だ……』

「ねぇっ!
何が見えたのよ!」

私は恐くて振り返れなかった。

「言ってよ!
お化け!?」


『それが……』

話かけて彼は黙った。

「何とか言ってよ!」

『だって何て言っていいかわからない』

彼はまた眠りにかえった。

おい!何を見たんだよ!

私の後ろに何を見たんだよ!

やめてくれよ!
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