〜愛が届かない〜

違うんだ…
終わらない。
もう一度、あの場所ではじめからやり直そう。

彼女を連れて、ホテルの部屋で愛し合っている最中、腕の中で、涙を流す彼女…

伝わらない思いに苛立ちながら、彼女を抱きつぶす。

ベッドで虚ろになっていた彼女が、服を着だし嫌な予感がした。

それなのに…動けない俺。
彼女の背中が…
今にも泣きそうに震えていて…
抱きしめてあげたいのに…

別れを選ぶ彼女に俺のチッポケなプライドが邪魔をする。

「もう、電話もメールもしないで……さようなら」

声の震えを我慢して

「…楽しかったわ」

強がりを言う彼女が愛しい。
プライドなんかの為に出て行く彼女を呼び止める事も出来ない自分自身に怒りが湧く。

今すぐ追いかけて、愛してると伝えないと彼女に2度と会えないだろう。

彼女を失う訳にいかないんだ。

服を急いで着て彼女を追いかけるが、すでに辺りにはいなかった…

電車もない時間
帰るならタクシーしかない。
それならと、一か八かで駅に向かえば、
1人で駅に向かって歩く見覚えのある後ろ姿に、ホッとして急いで車を止め彼女を呼び止める。

涙で濡れてグチャグチャの顔で振り向く彼女が、泣くぐらい俺を好きなのかと愛しくて…自然に愛してると言葉が出てきた。

記念日のプレゼントとして用意していたおそろいのリングが、やっと2人の指に収まる。

計画と違い渡すタイミングを間違えたが、晴れて恋人同士になれたのだからと自分に言い訳して、彼女を腕に抱き眠りについた。

END


《後日談》

俺の妹

美咲

俺のせいで男に不信感しか持たなかった彼女。

金銭的な理由で俺のマンションで同居していた彼女が隣に住む男に恋をした。

なかなか、素直になれない美咲。
そんな彼女が、突然、隣の男と一緒に住みたいという。
ルームシェアだといっても男と女。

男の思惑がわからないが、美咲が隣に引っ越せば、晴れて俺は一人暮らし。

今まで、楓を部屋に連れて来れなかったが、これで遠慮なく楓を呼べると考え男との同居を認めた。

いや…
妹の幸せを願っているから認めたんだ。

終わり
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