*°春夏タチバナ*°




【秋side】





チャイムの音で目が覚めた
どれくらい寝ていたのかボーッとする頭で考える




今朝から体調が優れなくて、ついに限界が来て意識朦朧としながらここに来たんだ…






それから俺はどうやってベットに…?







そう考えながらふと、ベットの端を見ると
冬羽が座ったまま頭だけベットの端に乗せて寝ているのが目に入った






ああ、そうだ

俺、冬羽を押し倒して気を失ったんだ







………………………………押し倒して!!!?







そうだ、可愛いとか言った記憶もある



何やってんだ俺!!!






冬羽にしたあれやこれを思い出して少し後悔
と同時に、あれは多分本音だったことに気付く





冬羽は可愛い






こんな俺をめげずに何度も好きだと言ってくれて

それこそ、しつこいくらいに




でも、俺は1回で諦めなかった人は初めて見たから楽しくて嬉しかった





ここまで言ってくれる冬羽と付き合ったら
とても幸せだろうと…







これは恋なのかな?





そんな気持ちに疎い俺はまだこれが恋なんてはっきりしないけど




恋かどうか迷った時点で恋なんだろうとは思う











「冬羽」











冬羽のことを考えて少し触れたくなったから
柔らかそうな髪にそっと触れてみた





見た目通り柔らかい髪だ
なんか変態みたいだな俺






冬羽を撫でながら考えてみる







きっと俺は冬羽が好きなんだろう…







もっと好きって言って欲しい
とか、思ってしまって言わせるようなことをする俺はガキなんだろうな







そんなことを考えながら
吐き気と頭痛と寒気を忘れるように眠った






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