*°春夏タチバナ*°




そう、聞こえた



幻聴ではなく…



私の耳と、私の目で
ちゃんと聞き取ったんだ





その瞬間ワッと涙が溢れ出してきた











「付き合ってくれますか?」











そう言う、優しい秋くんの声



泣いている顔を見せたくなくて隠そうとしても
私の頬を包んでいる秋くんの手が隠させてくれない




私幸せだよ…


こんな、断るわけないよ…











「わ、私でよければっ…付き合ってください…」











拭うことの出来ない涙が次々に止まるのを知らないかのように溢れ続ける




嬉しくて嬉しくて



ずっとこの言葉が聞きたくて頑張ってた






それが今届いたんだ…











「嬉しいよ〜…っ!
大好きだよ秋くんっっ」





「俺も、大好きだよ冬羽
ずっと頑張ってくれてありがとう
これからもよろしくね」











そう言って涙をゆっくり拭ってくれる秋くん




こんなに幸せな日があっていいのかな?




こんなに幸せで罰は当たらないかな?











「よろしくっ…!」











私の言葉に優しく頷いて、泣いている私の額にキスを落とした




唇じゃなくて額なのが秋くんらしくて大好きだなぁ♪






< 154 / 284 >

この作品をシェア

pagetop