*°春夏タチバナ*°




休み時間、二つ前の夏那ちゃんの席に行くと
夏那ちゃんはものすごく動揺していた











「ど、どういうこと…」





「びっくりだよね…」





「お前できるだけ関わんなよ!」











春翔くんはそう言って少し怒ったように話に入ってきた


文化祭の時に嫌わないとは言ったけど
やっぱり気に入らないんだろうなぁ…











「なに?俺の話?」





「「「っ!?」」」











今まで話の中心となっていた由くんが突然現れて、3人とも声が出ないくらい驚いた



そんな姿を見て秋くんは1人クスッと笑っているのが視界の端に見えますよ











「夏那に話があるから
放課後1人で屋上に来て」





「で、でも…」











夏那ちゃんはチラッと春翔くんを見る











「んなもん1人でいかせるわけねーだろ!
夏那は俺の彼女だ!」





「別にお前の彼女だからって話しちゃダメなんて決まりねーだろ
滝って言ったっけ?人の女取って何様だよ」





「は!?
お前の方こそ手放したくせに威張ってんじゃねーよ!」





「威張ってねーよ
そーいうお前が一番威張ってんだろ」











突如始まった2人の喧嘩に
私も夏那ちゃんも戸惑うしかない



どうしようかとなっていると
秋くんが、春翔くんと由くんの頭を持って


お互いの頭をガンッ!とぶつけた





すごく…痛そう…











「冷静になりなよ2人共
夏那は放課後屋上にいく!春翔は俺と帰る!
以上終わり!」





「話わかんじゃんお前」





「ふざけんなよ秋」











由くんと春翔くんのそれぞれの視線を浴びながらも爽やかな顔して席についた秋くん



春翔くんも意見できないなんて

なんかもう、裏番長みたいだね






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