ゆりかご
考えても解るわけがない、”知ってる”という記憶がないのだから。

「で、美羽は部活どーする?」

「う〜ん。どれもイマイチ。」

「美羽のイマイチは、男の話じゃなくて(笑)?」

「あはっ、バレたぁ?だって、どうせ入るならカッコイイ人がいた方がいいでしょ?」

「あはは、まーね。美羽は彼氏いないの?」

校門へ向かって歩く途中、長い影を作りながら、あたしと美羽の話題はお互いの事へと移っていった。

「んー、いるよ。」

「そうなの?じゃぁ別に部活にカッコイイ人いなくても良くない?」

「それとこれとは別☆」

言いながら、にやりと笑う美羽。

「繭子こそ、彼氏は?」

「いるよ。それより美羽の彼氏ってどんな人?どこの高校?」
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