ずっと好きだったんだよ
そして、その日の授業が終わってから、私と香穂はその大学に行くことにした。


先に大学名を聞いていなかった私も悪いんだけど……

向かった先の大学は、偶然にも栞の通っている大学だった。


せっかく悠也のいない生活にも慣れ、悠也の事を忘れられるかも、って思っていたのに。

栞を見る度に、私はまた悠也の事を思い出すのかな……


だけど、広い大学、たくさんの学生。

これだけの人がいるんだし、会わないよね?


そんな事を思いながら、授業が終わった私と香穂は、その大学に向かった。

大学に着いたはいいが、どこへ行ったらいいのかわからない私達は、校門の前で香穂の先輩を待つ事にした。


「おーい!香穂ー!」


香穂は呼ばれた瞬間、嬉しそうな表情になり、振り向く。


「先輩!さっそく来ちゃいました!えっと、この子は友達の奈緒です」

「初めまして、有沢奈緒です」

「初めまして……」


香穂に紹介され、香穂の先輩に自己紹介をしていたら……


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