あぁ素晴らしき引きこもり!?
「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁにが『またねー』よぉぉぉぉぉぉ!!!!」

部屋の中で大きな溜息をつくと「仕方ないよね・・・・・・・・」と呟いて少し遅いながらも朝食の準備を始める。

と、言ってもあまりおなかが空いていないのでトーストと牛乳だけ。

今日は日曜なので大学も休み。

慌てることなく一日を過ごそうではないか。

そんな風に考えながらもぐもぐと口を動かす。

そういえば・・・・・

そういえば、あの人の名前聞いてないじゃん・・・?

まぁいいや。あんな失礼な人の名前なんて誰が聞いてやるもんですか。

ふとさきほどのことを思い出して苛立ちが蘇る。

かじりかけのトーストを置いたまま、ベッドにゴロンと転がってブツブツと文句を言う。
隣人がかけていた音楽は止まったと思えば直ぐにまた鳴り出した。

大音量で。

「・・・・・・・・・・・私・・・・心広くないのね。」

そう言って、もう一度隣人の部屋のドアを叩いた。

「はーい」

「宮野です。」

「また君?」

「そうですよ。さっき貴方の名前聞いてなかったので。」

「名前・・・・?僕は羽野愁だよ。秋って漢字の下に心と書いて『しゅう』」

「へぇ・・・・。じゃあ羽野さん?音楽止めてくれま「いやだよ」

「はぁ・・・・・・・?」

「いやって言ってるんだけど。」

「煩いんですが。」

「じゃあ耳塞いだら?」

「なんで私が?」

「煩いんでしょ?」

「羽野さんが音楽止めればいいじゃ「だから嫌だって。」

「・・・・・・・・・もういいです。好きにしてください。」

どうしようも無くなって仕方なく部屋に戻る。

結局この日は一日中隣の部屋から音楽が流れていた。
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