私を本気にさせないで
しょっちゅうスマホをいじっている姿は見たことないし、仕事帰りにデートに行くような雰囲気もない。
だから勝手に白田先輩には彼氏はいないと思っていたけれど、本当のところはどうなのだろうか。

周囲を気にしながら少しだけ緊張しつつも、彼達の会話に耳を傾けた。

「あぁ、お前みたいなやつけっこういるみたいだぜ?密かに彼女、人気あるみたいだし」

「マジかよ」

ガックリ項垂れる彼同様、俺も陰でガックリ項垂れてしまう。

やっぱそうだよな。
俺が白田先輩に好意を抱いているように、彼女に対して好意を抱いている奴がいて当たり前だ。

「だけど彼氏はいないんじゃね?……人伝いに聞いた話だけど、飲み会の時彼女、もう恋愛はしないって断言していたって」

「なにそれ」

「なんでも数年前、酷い振られ方したらしいぜ?それっきり仕事が恋人なんだと」

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