無口なセンパイに恋した仔羊
抵抗して、何とか離された唇。

「…お前ら」

その声に驚き振り返る。…どうしてこんなことになってしまうんだろう。

神様は、意地悪だ。

あぁ、まだちゃんと想いを伝えていないのに。ちゃんと、好きだって伝えられてないのに。

…それからの、私と進藤さんは、ほとんど会話する事も無くなり、目を合わせる事も出来なかった。

…誤解を解きたい。…この想いを伝えたい。想いばかりが、募るだけ。

「…美鈴、最近こん詰めすぎじゃない?1人で仕事抱えすぎだよ」

小春が心配してそう言ってくれる。
…でも、仕事をしてないと、悪い事ばかり考えてしまう。

…仕事が休みの日ですら、仕事をせずにはいられなくて。眠ると嫌な夢しか見れなくて、ほとんど眠る事もできなくて。

…そして等々、私の体は悲鳴を上げた。

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