絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
でも、今まさに優也さんの言った言葉が現実のものになろうとしている。


2人で外へ出よう。


その、素敵な考えが。


「本当だ。試しにドアを開けてみるといい」


そう言われ、あたしと優也さんはまた目を見かわせた。


ドアを開けようとした瞬間、電流を流された雷の事が思い出される。


「俺が、行く」


「気を付けて!」


何かの罠かもしれない。


スーツ男の言葉に乗って行動すると、死んでしまうかもしれない。


そんな恐怖がゾワゾワと体の内側を這いあがってくる。


優也さんがドアの前に立ち、そのドアノブに手をかけた。


そして、次の瞬間……。


青色の空が見えた。


「う……そ……」


あたしは思わず呟いていた。


ドアの外には風が吹いていて、見慣れた《mother》の街並みが見える。


ここは建物の裏口なのか、銀色のフェンスで囲いがされているものの、その向こうには足早に歩いて行くサラリーマンの姿も見えた。
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