絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
日常が、そこにあった。


手を伸ばせば届く距離。


「外だ……」


優也さんがそう言い、笑みをこぼした。


「外だよ! 優也さん!」


あたしは思わず優也さんの肩を何度も叩いていた。


嬉しくてその場で飛び跳ねる。


「その前に君たちは、自分の姿を見なさい」


スーツ男にそう言われ、あたしは自分の体を見下ろした。


当然ながら、まだ血まみれの状態だ。


誰の血かもわからなくなったそれは、乾いてへばりついている。


血は一度しみ込んだらなかなか落ちない。


あたしは汚れを指でこすってみたけれど、それだけじゃ落ちる気配はなかった。
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