絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
そっと目を開けると、開け放たれたドアの向こうに広がる冷たい灰色の部屋に愕然とした。


まだ、続くの……?


翔吾としっかり繋がれていた手が、スルリと離される。


あたしはその手をもう一度握りたかったけれど、翔吾歯それに気づかずに部屋の中へと入って行ってしまった。


「今度は……なに……?」


恐る恐る部屋に足を踏み入れると、さっきと同じような4畳ほどの空間しかなかった。


それでも、2人でいるには十分な広さだ。


そして、その中央には今までと同じようなメモ用紙と……拳銃が置かれていたのだ。


「《守りたい者を殺せ》……」


翔吾が立ったままの状態でメモを読んだ。


「冗談でしょ……?」


自分でも情けなくなるくらい、声が震えた。


《守りたい者》


あたしからすれば翔吾。


翔吾からすればあたし。


互いに殺せと言う事になるが、拳銃は一つしか用意されていない。
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