オトナな部長に独占されて!?
部長という生き物は、椅子にドーンと踏ん反り返って、下からの報告をうんうん聞いて、『もっと頑張りたまえ、虫ケラ共よ』って言うのがスタンダードじゃないの?
大口でもない小さな写真館への営業に、自ら進んで付いてくるなんて……。
葉月部長って、変わり者だね。
「高村さん、行きましょう」
「は、はい」
ドアに向けて歩き出した部長の大きな背中を、慌てて追いかける。
後ろで立花萌が、「なんで? どうして? ずるいんですけど〜!」と叫んでいるが、彼女に配慮してあげる余裕はなかった。
これは、まだよく知らない葉月部長の手腕を間近で確認できるチャンスでは?と思ったり、
もう少しで契約が取れそうなところまでこぎつけたのに、下手なことをされるんじゃ……と不安に思ったり、
そもそもなんで一緒に行こうとしているのかと疑問に思ったり。
葉月部長の半歩後ろを歩きながら、頭の中を忙しく働かせていた。